科研費研究

「計算機のための適応型前処理付き反復解法の研究」(課題番号:16740067)
平成16年度―平成18年度
最近,大型線型方程式の解法としてクリロフ部分空間法が広く知られているが, 解ける問題と解けない問題があり,事実上は試行した結果解ける場合に古典的反復法などと 比べて早く収束する結果があげられている.発散する場合は問題の導出を変更し, 収束するように改良できることもある.クリロフ部分空間法はそのアルゴリズム自体に 丸め誤差などの影響を強く受けてしまい,それが原因で収束できない場合があると報告されている. そのことから,大型線型方程式の解法としては,シンプルなアルゴリズムであるSOR法や Gauss-Seidel法などを改良するべきであると考える.なぜなら,コンピュータの発達でさらに 複雑で大型の問題を扱うようになった場合,計算の精度を上げてクリロフ部分空間法を用いて, より多くの演算時間を費やすことよりもシンプルなアルゴリズムで解を得るほうが有意義である と考える.改良のポイントは問題にあった最適な前処理行列を与えることであると着想した. これまでに前処理としては,係数行列の上双対角要素を利用したもの,また上三角要素を全て 用いたもの,また各行で絶対値最大の要素,さらにいくつかの方法を提案している. これらの手法により,与えられた係数行列の条件数が悪い場合に対して改善がされ, それによって解の精度があがることが期待できる. 資料